top of page

第14回

ゼロのウェットスーツは猫背に作ってある

サーフィンでパドルするとき、サーファーはそっくりかえったかっこうでパドルするから、

サーフィン用のウェットスーツもパドルにラクなスタイルで作るんだろうけど、ゼロのウェットスーツはわざと猫背にしてある。

 

 なぜかというと、やはりやってみるとわかるけど、波待ちをしていると、板の上でずっと猫背で待っているわけよ。なおかつ、そのスタイルでパドルをはじめるんだけど、ほとんどの人の姿勢を観察していると、初心者は胸を張ってやたらとアゴを上げるんだけど、プロっぽくなればなるやつほど、どちらかというとアゴを引いて、ちょっと背中を持ちあげたような姿勢でパドルするんだよ。

 

 じつは、そのほうが、パワーが出るんだよ。胸でボードを押さえないとボードが前に行かないからね。それから、サーフィン用のウェットスーツの場合は、どちらかというと、首の前から水が入るよりも、首のうしろから入る水の量のほうが多い。ドルフィンをしたときもそうじゃない。そのことも考慮すると、猫背のかっこうにウェットスーツができあがるんだ。

 

 ぶら下がったウェットスーツを見ると、嫌なかっこうをしているんだけど、でもよくよく見ると、二輪のバイクのレーサーのスーツに似ているんだ。背中が猫背になっていて、ヒザが曲がったままで、なにか虫が歩いているようなかっこうしてさ。そういうかっこうのスーツなんだ。よくお店でウェットスーツがぶら下がっていて、するっとかっこよく見えるウェットスーツは、かならずしもいいとは言えないよね。そこまで考えると、必然的に猫背のスタイルをしたウェットスーツになってくるんだ。

猫背.JPG

猫背に作ってあるゼロのウェットスーツ。なにかバイクレーサーのレーシングスーツに似ているね。

bottom of page