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ウェットスーツの縫製について

文:川南 正


その1

本縫いミシンとは


ジップレスのウェットスーツのカタログを紹介したブログで、ウェットスーツの縫製のことに少し触れたんだけど、今回はそのウェットスーツの縫製の話をしてみたい。じつは、ウェットスーツの縫製を語るには、ウェットスーツの成り立ちから話さなくならないロングストーリーなんだけど、今回は、柔らかくて伸びたり縮んだりするネオプレンゴム生地のウェットスーツの縫い方についてかいつまんで話してみたい。

 まずウェットスーツの縫製に使うミシンは3種類ある。一般的に洋服などの縫製などにも使う直線縫い、正式には本縫いというミシンがひとつ。それから2台目のミシンがすくい縫い用のミシン、英語ではブラインドステッチと言うんだけど、糸が生地の裏側に抜けない縫い方ができるのがすくい縫い用のミシンだ。パーツごとに裁断したゴムの生地をボンドで張り合わせ、それから合わせ面の強度を補強するためにこのすくい縫いミシンを使う。そして、3台目のミシンがオーバーロックミシン。ゼロ・ウェットスーツの工場ではこの3種類のミシンを使い分けてウェットスーツを縫製している。

 でもウェットスーツ屋によっては5種類も6種類も使っているところもある。それは何でなのかというと、たとえば、本縫いのミシンは直線しか縫わない。ゼロ・ウェットスーツでは本縫いのミシンをジグザグに縫う、ちどり縫いにも使っているんだけど、本縫いのミシンは左右に振れる縫い方もできる。本縫いのミシンは一本針、二本針、三本針と針を足していくことができるミシンなんだ。ゼロ・ウェットスーツでは一本針の本縫いのミシンしか使っていないけど、あるウェットスーツ屋では同じ縫い方をするのに二本針とか三本針のミシンを使っているところもある。そうすると、そこのウェットスーツ屋では、一本針用と二本針用、それからジグザグ用の3台のミシンが必要になってくる。それからかんぬき止め用のミシンも必要になってくる。このかんぬき止めというのは袖口の糸がほつれてこないように補強の糸止めの縫い方を言うんだけど、そのミシンも必要になってくる。ゼロ・ウェットスーツではジグザグ縫いもかんぬき止めもぜんぶ1台の本縫いのミシンで縫っているけど、それが面倒くさかったり下手くそだったりすると、2台も3台も揃えなければならなくなる。工場のスペースが広くて、資金さえあればいろいろなタイプのミシンを揃えることもできるけど、ゼロ・ウェットスーツではそんな資金もスペースもないから、必要最低限のミシンで済ませている。本縫いのミシンは、基本的にはファスナーを取り付けたり、ベルクロを取り付けたり、伸びない部分の縫製に使っている。すくい縫いのミシンでは縫えないからね。だから、一本針の本縫いミシンが必要なんだ。ジグザグ縫いは本縫いミシンを調整しながら縫うんだけど、下手くそなやつはそれができないから、ジグザグ縫いのミシンを使わなければならないんだ。だから大きな工場にいけばいくほどミシンの種類が増えるね。ジグザグ縫いを使うときは、ウェットスーツのある部分を幅広く固定したいときや裾上げなどに使うんだ。

(つづく)


本縫いミシン(直線用ミシン)。ゼロ・ウェットスーツではこの本縫いミシン1台で、ジグザグ縫いやかんぬき止めなどの縫い方に使っている。写真は1本針で直線縫いのサンプル。ジッパーを縫うときやベルクロを縫うときにこの本縫いミシンを使用している

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