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ウェットスーツの縫製について

文:川南 正


その2

ジグザグ縫いも本縫いミシンでできる


本来、本縫いは、たとえばズボンの裾など引っ張っても絶対に伸びない縫い方で、ちどり縫い、ジグザグに縫えば生地が若干伸びる。だからウェットスーツの裾とか縁の部分を止めるときなどに使う。昔、オニールかリップカールか忘れたけど、ウェットスーツの針目をボンドでくっつけた上にジグザグで縫ってあったね。何でこんなバカなことをするんだろうと笑っちゃったけど、壊れるからしょうがないからそうしていたんだね。ブラインドステッチができるミシンがなかったか、縫える職人がいなかったせいかな?

 ミシンとして、本縫い、直線に縫えば生地が伸びないけど、同じミシンでちどり縫い(ジグザグ縫い)にすると生地は伸びるようになるわけ。それで、ウェットスーツ屋によっては、縁取りの部分をちどりで縫うとするんだけど、うまく縫えないからか?きれいに見せたくてなのか?オーバーロックミシンで縫っていたりする。オーバーロックミシンはTシャツの裾(すそ)や首回り、襟(えり)の部分など、ニット系の生地の洋服で使われる場合がいちばん多いんだけど、これを使って縫うと生地が伸びる。また、糸も伸びるナイロンの糸を使っている。それで、すくい縫いがうまくできない外国のウェットスーツ屋はオーバーロックミシンで縫っちゃうんだよ。リップカールやクィックシルバーはオーバーロックミシンで縫っちゃっている。本縫い(直線縫い)用やオーバーロック用のミシンは需要が多いので、ジューキや蛇の目、シンガーなど大手メーカーや中小のメーカーなどいろいろなミシンメーカーが製造している。

(つづく)


袖口の「かんぬき止め」。袖口の糸がほつれてこないように補強の糸止めの縫い方だ。ゼロ・ウェットスーツでは、これも本縫いのミシンでやっている。

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