文:川南 正
話は飛ぶけど、ゴムの生地を仕入れる場合、メーカーと問屋があるんだ。ジャージの生地屋さんが糸をニット風に伸びるジャージを織る。今、日本ではウェットスーツ用のジャージを織っているところは3社しかないと思うんだけど、その織ったジャージをスポンジメーカーが仕入れるわけだ。ゼロ・ウェットスーツの場合、ナショナルゴムと取引をしているんだけど、そのゴム会社がスポンジを発泡させて、そのスポンジに繊維メーカーで織ったウェットスーツ用のジャージを貼っている。そこまでがメーカーと呼ばれている。ところが最近、小さなウェットスーツ・メーカーが増えてきたので、ゴム生地を買う場合、メーカーとのあいだに問屋が挟まるようになってきた。問屋はメーカーからジャージを貼ってあるゴ厶を買って、いろいろとアレンジしてウェットスーツ・メーカーに売るようになったんだ。アレンジというのは、問屋はメーカーに色や柄、素材など自社用のオリジナルのジャージを貼ったゴムを作らせて、ウェットスーツ・メーカー売っているんだ。ゼロ・ウェットスーツでは、問屋から仕入れるとどんなゴム生地が納品されるのかわからないので、問屋とは取引をしないで、直接メーカーから仕入れている。昔、問屋に注文した生地がすでに日焼けして退色したジャージが届いたこともあったからね。でも、色など問屋しかない生地もあるので、小ロットですぐにほしい場合は問屋から仕入れている。メーカーだと、注文してしてから3カ月待ちとか半年待ちになるので、その場合はやむを得ず問屋から買う場合もある。そうしないと、自分のほしい生地が手に入らないんだ。

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