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ジャージの種類 その4

文:川南 正


ジャージの種類ではないけれど、ナイロン系やポリエステル系のジャージを貼らない表面のスキンの種類について説明しよう。世間では、フラットスキン、スモークスキン、メッシュスキン、シャークスキンなどと呼んでいるが、フラットスキンは発泡したスポンジの表面をまったく加工しないタイプのことで、スモークスキンは細かい格子状の型を、熱を加えながらゴムの表面にひと晩程度圧縮熱処理を加えたもの(2次加硫という)をいう。そして、その格子のサイズが大きくなるにつれ、メッシュスキン、シャークスキン(現在、ゼロ・ウェットスーツでは使われていない)と呼んでいる。熱も、発泡させるほどの高温ではなく、余熱程度で押し当ててゴムの表面に熱処理を加えることによって、表面が硬く丈夫になる。なぜ発泡したスポンジ表面に熱処理を加えるかというと、フラットスキンは伸びがよくて良いのだがツメなどで引掻いて傷をつけてしまうからだ。押し型さえ作ればどんな模様も入れられる。それで熱処理を加え、ゴム表面を硬化させて強化している。つまり、スモークスキンは魚のウロコのようなものなのだ。世界で初めてサーフィン用のウェットスーツを作ったオニール用に日本から輸出したラバテックスのゴムに似せた、ひし形の中に丸が入っている模様が付いていた。2次加硫させて、壊れにくくさせていたんだね。

 さて、ゼロ・ウェットスーツでは、このフラットスキンやスモークスキンをフルスーツなどの上半身部分に使用し、それを推奨している。なぜジャージを貼らない生ゴムタイプの生地を使うのだろうかと疑問をお持ちの方もいるだろう。その理由は、サーフィンでは波待ちなどで上半身が水(海)の上に出ているからだ。もっと言うと、水を弾くスキン・タイプのゴムを上半身に使用することで、波待ち時の保温性能を向上させているということだ。つまり、水を蒸発させる際の気化熱がジャージを貼ったウェットスーツよりも少なく、その分暖かく感じるというわけだ。気化熱は水(液体)が気体(蒸発)になるときに周囲から奪う熱のことで、たとえば、ジャージのウェットスーツで波待ちをしていると、ジャージについた水分が蒸発しようとして熱を奪う(気化熱)ので、より寒く感じるわけだ。ジャージよりもスキン・タイプのほうが、気化熱が奪われにくいので、ウェットスーツのゴム自体も薄くすることができるわけだ。ということで、ゼロ・ウェットスーツでは、真冬でもオール3ミリのフルスーツをお薦めしている。ゴムが薄い分、動きやすいからね。


フラットスキン


スモークスキン(メッシュスキン)


シャークスキン


ジップレスのフルスーツ、「エアドーム」。オール3ミリのゴムを使用。上半身はフラットスキンとスモークスキン(メッシュスキン)の組み合わせで、インナーにExtendジャージ、下半身は表、インナーともにExtendジャージで、価格は90,000円。インナーにナイロンとポリエステルのシェルター・ジャージを使用したZ-1タイプでは価格は130,000円(表側は上半身にフラットスキンとスモークスキン、下半身はExtendジャージ)。

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