ネオプレンゴムを調べてみると、1930年、アメリカのデュポン社のウォーレン・カロザースがクロロプレンを化学反応させてクロロプレンゴムを開発したんだが、その商品名がネオプレンゴムで、1931年から製造をはじめていた。ということで、ネオプレンゴムの製造はけっこう早かったんだね。
ネオプレンゴムが開発されて20年後、1951年、海軍のダイバーのために水中作業をより快適で生産性の高いものにしようと、U.C.バークレー校の物理学者でマンハッタン計画のベテランでもあるヒュー・ブラッドナーはウェットスーツの試作品のテストを始めたんだ。
アメリカ軍は翌1952年、ブラッドナーのウェットスーツのデザインの機密扱いを解除し、商業生産を奨励したことによって、一般の人でもウェットスーツを入手することができるようになった。
このブラッドナーの報告書のコピーを入手したのが、マンハッタンビーチ出身のサーファー・ダイバーであるベブ・モーガンで、彼はさっそくダイバー仲間のためにウェットスーツを作りはじめ、翌1953年に「ダイブ・N・サーフ」というダイブショップをオープンし、そこでウェットスーツを売りはじめた。
当時、ウェットスーツのなかったサーファーは寒さ対策としてゴムキャップと油を染み込ませたウールのセーターを着用していたのだという。ウェットスーツは寒いアメリカ西海岸の海に入るサーファーたちにどれほどの恩恵をもたらしたのだろうか。
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