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フリーダイビング用ウェットスーツのゴムの話

文:川南 正


前回はコブラシリーズの袖の部分に使われている1ミリのフラットスキンのゴムの話を書いたが、今回はフリーダイビング用のゴムの話をしたい。このフリーダイビング用に使用されるゴムは、片面フラットスキンの柔らかいスポンジなんだ。つまり、ウェットスーツに使用する片面フラットスキンと同じもので、厚みも注文次第でどんな厚みもできる。裏面はスライスのままのゴムやジャージが貼ってあるもの、そのジャージも柔らかいものから固く伸びにくいジャージなど、これも注文次第なんだ。そして、表のフラット面に特殊な塗料をコーティングする。この塗料は山本化学工業の特許で、調べてみてはいないが、おれの見る限りではシリコン系の塗料かな?撥水性があり、水の表面融着を防ぐことにより、より水の中を速く泳ぐことができるようにしてある。裏面にジャージの貼らないスライス面のゴムには同じ特殊な塗料を塗ってツルツル滑る。だから、ジャージを貼らなくても着脱がしやすくしてあるんだ。このスポンジだけのゴムは柔らかくてよく伸びるよ。この特殊なコーティングはフリーダイビングだけではなく、トライアスロンや一時期水泳用の水着にも使われたこともあった。だけど、このスポンジはサーフィン用のウェットスーツの生地としては使えない。なぜなら、サーボードの上でツルツル滑ってパドルできないんだよね。


福田朋夏さんのフリーダイビング用ウェットスーツの裁断部品。フラットスキンの上から特殊な塗料を塗り、水の抵抗を少なくしている。試合本番用のウェットスーツは裏側にジャージを貼っておらず、塗料のみとなるために2回ほどの着脱で使用不可となるという。それでも、ジャージを貼らない分、伸縮性が富み、運動性能が向上する。


日本が誇るトップ・フリーダイバー、福田朋夏さん。2018年のグランドケイマンでおこなわれた「Deja Blue 9」でCWTの部で優勝。CWT(垂直潜水)では100メートル、DYN(平行潜水)で158メートルの記録を持つ。Photo:©️Tomoka Fukuda

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