文:川南 正
「ロージーズ」では、サーフィン関連の商品はオニールなどのウェットスーツ以外では、カリフォルニアTシャツを輸入して売っていた。米『サーファー』誌などの雑誌類も輸入していた。雑誌や書籍などは関税がかからないから輸入しやすかったんだ。当時、インターネットなどないから、『サーファー』誌を見て、サーフィンの情報を仕入れていたよ。カリフォルニアTシャツも『サーファー』誌に掲載された広告を見て輸入をはじめたんだ。サーフィン用のワックスはもうすでに輸入しているやつがけっこういて、JSPなどがサーフリサーチ社の「ワックスメイト」を扱っていて、日本国内で流通していたね。そんなあるとき、ドロップアウトのエド(故小川秀之)が「SEX WAX」を輸入しようとしたんだけど、日本の税関で引っかかってしまい、「このSEX WAXって、何だ?」ってストップしてしまっていたんだ。それで、エドがおれに助けを求めてきたので、彼女に英文で、「商品説明を書いてくれ」って「SEX WAX」のZOG社に手紙を書いて送ったんだ。それで返事があったんだけど、「SEX WAX」を作っている連中はカリフォルニアのトンでるサーファーたちだから、「ユア・スティックにこれを塗るとベストで、エクスタシーを感じるよ」って書いてあるんだよ。そんな商品説明じゃ日本の税関を通るわけないじゃない。それで、書類やサインなどを偽造して作り直して、やっと通関できたんだけどね。おれは、ワックスは自分で作れると思ったから、輸入はしなかったし、じっさい日本で作ってお店で売っていた。「ビネガーワックス」という名前のワックスを作ったんだよ。でも手作りだからたくさんはできないんだ。せいぜい10〜20個、がんばって100個が限界だったね。
サーフィン雑誌を見ていて、「これはいいな」って輸入をはじめたのがカリフォルニアTシャツ。そこそこ売れたけど、輸入しきれない。LC決済だから銀行に預金が必要なんだ。預金はなかったから、現金で払ったけど、せいぜい100枚単位しか輸入できなかったね。1枚8ドルぐらいで入ってきたから、3,000円ぐらいで売ったのかな。当時、普通のTシャツが5ドルぐらいだったけど、カリフォルニアTシャツはエアブラシの絵柄が立派だったから高かったんだろうね。(つづく)
写真は、SEX WAXの広告。センターにいるのがミスター・ゾグ。「The Best For Your Stick」はSEX WAXのキャッチフレーズ。
写真:Source: URL sexwax.com
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