文:川南 正
正直に話そう。ちょっと前のこと、ノーマルジッパーのフルスーツを頼まれて、そのときは何にも考えずに、「そうですね、いいじゃないですか。それで作りましょう」って、注文を受けたけど、実際に作りはじめて、「なんで、ノンジッパーのウェットスーツを勧めなかったんだろう?」とか、「こっちの(Air Light)ジャージのほうがラクなのに」といったようなことが脳裏に浮かんできたんだ。もともと、ほかのメーカーでもジッパーの水漏れ対策を講じていて、水抜きのための穴を空けたり、ジッパーから水が入らないようにダブルでポケットを作ったりと、いろいろ水が入らないような工夫を施しているけど、ジッパータイプのウェットスーツは、ジッパー自体から水の浸入してくるし、バックジッパーの首の後ろからどうしても水が浸入してくるから、おれに言わせると、ジッパー回りの対策をしていても水は入ってくるんだ。それよりもノンジップのフルスーツだったら多少着にくくても、動きもラクだし、水の浸入もそれほど気にしなくていい。一度でもエアドームやスナイパーなどのノンジップのフルスーツを着てしまったら、冬の冷たい水の中ではもうノーマルジッパーのフルスーツに戻ることはできないぐらいなんだね。つまり、ノーマルジッパーのウェットスーツは、極論すれば初歩的なウェットスーツなんだよ。
ほかにもジャージもナイロンタイプのAir Lightは発色もいいし、伸びもあるので着ていてラクなんだよ。まあ、Extendのジャージより金額も高くなるんだけどね。発色もいいといったって、個人的にはウェットスーツは黒がいいんじゃないかとは思うけどね。だから、なんだっていいのさ!

スーパーシリーズのスプリングロール。オールジャージのフルスーツ、「ジャーフル」
3/2 mm、Extend¥100,000 / Air Light¥120,000(税抜き)
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