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暖かさは、厚さだけでは決まらない

7 時間前
読了時間: 6分

サーフィン用ウェットスーツの保温性と、Z-1という素材の可能性

 

文:川南 正

冬が近づくと、「どのウェットスーツが一番暖かいのか」という質問を受けることが多くなります。裏地の種類や表面加工、ファスナーの構造など、ウェットスーツの保温性を左右するとされる要素はいくつもあります。しかし、これまで私たちが調べてきた結果からいえば、保温性に最も大きな影響を与えるのは、意外なほど単純な要素です。それは、ウェットスーツに使用するゴムの厚みです。

ただし、厚ければ厚いほどよいというわけではありません。そこに、サーフィン用ウェットスーツの難しさがあるのです。

 

保温性と運動性、その相反する関係

 

ウェットスーツの基本的な保温性能は、使用するゴムの厚みに大きく左右されます。一般に、ゴムが厚くなれば断熱性は高まります。さまざまな表面素材や特殊加工による保温効果もありますが、私たちが調べた範囲では、その違いはゴムの厚みによる影響に比べて小さいものでした。

それなら、冬用のウェットスーツはできるだけ厚いゴムでつくればよいのでしょうか。

ダイビングとサーフィンでは、身体の使い方が根本的に異なります。サーフィンではパドリングを繰り返し、波に乗る瞬間には素早く立ち上がり、全身を使ってボードをコントロールします。とりわけ肩や腕の動きは激しく、ウェットスーツには高い伸縮性と運動性が求められます。

ゴムを厚くすれば保温性は高まりますが、その一方で生地の伸縮性は制限され、身体を動かすために余分な力が必要になります。結果として筋肉への負担が増え、体力の消耗にもつながります。

また、購入したときには非常に柔らかく感じられた素材でも、使用を重ねるうちに硬さが生じることがあります。したがって、初期の柔らかさだけでウェットスーツの運動性能を判断することはできません。

私たちがウェットスーツを設計するときに重視しているのは、身体の動きを妨げない適切なゆとりと、使用する環境に応じた生地の厚みです。

つまり、サーフィン用ウェットスーツに求められるのは、保温性と運動性の合理的なバランスなのです。

 

水を入れないことが、必ずしも正解ではない

 

ウェットスーツの保温性を考えるうえで、もうひとつ重要なのが水の侵入です。

ウェットスーツは完全な防水服ではありません。サーフィンでは波をかぶり、ドルフィンスルーを繰り返すため、首周りや手首、足首などから、ある程度の水が侵入します。

もちろん、各メーカーとも水の侵入を少なくするためにさまざまな工夫をしています。しかし、ここにも保温性と運動性の相反する問題があります。

例えば、水の侵入を防ぐために首周りを強く締め付けたとします。確かに水は入りにくくなるかもしれません。しかし、運動中には筋肉の状態や血流が変化するため、過度な締め付けは不快感を生み、身体の動きを妨げる原因にもなります。

手首や足首についても同様です。水が入らないように密着させすぎると、いったん侵入した水が外に抜けにくくなることがあります。

私たちの経験では、適度なゆとりを持たせた設計のほうが、長時間のサーフィンでも身体への負担が少なく、結果として快適な状態を維持しやすいのです。

ウェットスーツの内部に入った水は、身体の熱によってある程度温められます。その水が頻繁に入れ替わらなければ、冷たさを感じにくくなる場合もあります。

重要なのは、水を一滴も入れないことではありません。必要以上の水の侵入を抑えながら、身体を自由に動かせる状態を維持すること。 これも、サーフィン用ウェットスーツの設計思想のひとつです。

 


Z-1が着目した、水の動きという性質

 

こうした保温性の研究を続けるなかで、私たちが注目したのが、Z-1に採用している特殊な裏起毛素材「シェルター」です。

この素材には、一般的なジャージ素材とは異なる興味深い特徴があります。

それは、水を含んだ状態から、水分が外へ抜けていく速度が速いという性質です。

水中では、この素材が特別に高い断熱性能を発揮するわけではありません。ところが、水面上に出たときには違いが現れます。素材に含まれていた水分が、ほかのジャージ素材に比べて速やかに落下するのです。

サーフィンでは、身体のすべてが常に水中にあるわけではありません。パドリング中も上半身の一部は水面上にあり、ボードに立てば身体の大部分が空気にさらされます。

濡れた素材の表面に水分が残っていると、その水分が蒸発する際に熱を奪います。いわゆる気化熱による冷却です。

したがって、水面上に出たときに素材から水分が速やかに排出されることは、身体の冷えを軽減するうえで意味を持つと考えられます。

Z-1の特徴は、単純に断熱性の高い素材を使っているということではありません。水中と水面上を繰り返し行き来するサーフィンの運動環境に着目し、水分の排出という別の角度から快適性を追求していることにあります。

 

素材の構造を読み替えるという発想

 

Z-1に使われているシェルターは、ナイロンとポリエステルを組み合わせた二重構造の生地です。

その特徴のひとつが、ループ状になった繊維の構造にあります。

この素材自体は、もともと織物メーカーが開発したものです。しかし、私たちはその構造に着目し、通常とは異なる発想で素材の表裏を設定しました。

ループ状になっている側をウェットスーツの内側に配置することで、水分の排出に特徴的な性質が現れることを見いだしたのです。

素材の性能は、原料の種類だけで決まるわけではありません。繊維の組み合わせや編み方、表裏の使い方によっても、その働きは変わってきます。

私たちは、この水分排出に関する仕組みについて特許を取得した経緯があります。現在は特許を維持していませんが、素材の特性を見極め、それをウェットスーツに応用するという考え方は、今もZ-1の基本にあります。

とりわけ、オレンジ色のシェルター生地は、水抜けのよさが際立っています。

これは、実際に海で使用するときだけでなく、ウェットスーツを脱いだあとにも違いとして現れます。

 

乾きの速さが、冬のサーフィンを変える

 

冬のサーフィンでは、長時間海に入り続けることが必ずしも快適とは限りません。

例えば、1時間半から2時間ほどサーフィンを楽しんだあと、一度海から上がって身体を休める。そして、もう一度海に入る。そうした楽しみ方もあります。

このとき問題になるのが、濡れたウェットスーツです。

通常のウェットスーツでは、短い休憩時間のうちに内部の水分を十分に取り除くことは容易ではありません。しかし、Z-1のシェルター素材は水分の排出が速いため、裏返して干しておくと、比較的短時間で水が抜け、乾いた感触に近づきます。

私たちの経験では、30分ほど干すだけでも、その違いを感じることがあります。もちろん、気温や湿度、風などによって乾燥状態は変わりますが、短い休憩時間を有効に使えることは、冬のサーファーにとって大きな利点でしょう。

もうひとつ重要なのは、この素材が特別な構造のウェットスーツだけに限定されないことです。

ノーマルジッパーのフルスーツでも、ファスナーのないタイプでも、Z-1の素材を選ぶことによって、水分排出の特性を生かすことができます。

つまり、ウェットスーツの形状や着脱方式とは別に、素材そのものの機能として快適性を高められるのです。

Super Series
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AIR DOME       5/3mm            Z-1      170,000

                     All3mm           Z-1      150,000


Sniper Seriies

Full Suites 5/3mm                  Z-1      160,000

Full Suites All 3mm                 Z-1      140,000


Normal Zipper Series

Full Suites 5/3mm                  Z-1      150,000

Full Suites All 3mm                 Z-1      130,000


Aqua Seal Series

Full Suites 5/3mm                  Z-1      160,000

Full Suites All 3mm                 Z-1      140,000

 
 
 

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