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稲村のボス、シャーク

活のアルバムから その2

文:川南正


1973年の稲村の写真。右奥が茂木で、その隣りが中村だいちゃん。手前の右が活で、隣りがシャーク。左にいる髪の毛の長いのがごうちゃんだね。シャークは稲村のボス的存在で、波乗りはしなかったけど、いつも稲村にいたね。名前は加藤あきら、本業は水道屋さん。鎌倉のライフガードをやっていたので、長沼とか鎌倉のサーファーの知り合いがたくさんいたんだ。だから、波があるとしょっちゅう稲村にも顔を出していたんだね。彼は親分肌で、代々鎌倉のローカル。シャークのお父さんも面倒見のいい親分肌の人だった。もめ事の仲裁など、いろいろと面倒を見ていたので、いつしか稲村のボス的存在になったんだね。顔を見ると怖そうな顔をしているだろ。おれより1歳年上で、歳が近かったせいか仲良しで、水道工事のアルバイトもさせてくれていた。また、ときどきお酒を飲みにいっていたけど、シャークは酒の飲み方を知らなかったので、肝臓を壊して亡くなっちゃった。



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