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稲村(稲村ヶ崎)サーフポイント消滅の危機 その4

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文:川南 正

 

自分はあと何年、稲村ケ崎でサーフィンができるだろう?

あと5年、10年はどうかな?

そう考えると稲村ヶ崎の海岸など、どうなってもぼくには関係ない! …などと考えることもある。

ぼくも、一年中渋滞している鎌倉の134号線は嫌いだ!

しかし、稲村のサーフポイントがなくなるのは悲しい。

 

だが、いまやオリンピック種目にもなり、多くの人がサーフィンを楽しむ時代になった。そんな中、日本でも有名な稲村アウトサイドのレフトブレイク、その波で何人のサーファーがあのチューブライディングを楽しんだのか、また、あのチューブライディングを求めてパドルアウトしていったか!

稲村ヶ崎にはアウトサイド以外に、インサイド、センター、そしてウバガヤと、4つのポイントが存在する。それらのサーフポイントが消滅する危機が、ここにある。

 

これらの危機は、すべて稲村ヶ崎の砂浜の砂がなくなったせいだ。

ことはといえば、国道134号線を海岸線の砂浜の上に造らずに鎌倉の山の裏側に造っておけばよかったのだ。いまさら言ってもはじまらないが、やがて西湘バイパスのような道路がこの鎌倉の海岸線にできることになるのだろう。

だって、稲村ヶ崎の切り通しを鎌倉方面に抜けると、その先は坂の下までほぼ鎌倉市の市有地となる。

そして、その先、坂の下の砂浜で古くから漁業を営んでいる漁師たちは、以前からある市営プール前に漁港を作る計画により,すぐにでも喜んで坂の下の砂浜を立ち退くはずだ。となると、鎌倉市内の4車線道路はできたのも同然ではないか。

 

なんといっても、国道を守るのが最優先になるだろうし、また、古くからある計画で、稲村ヶ崎から小動岬までの埋め立て計画が再燃するのだろうか?

大手の開発会社がまた狙いはじめることだろう。

 

そんな、稲村ヶ崎サーフポイント消滅の危機がここにはある。


明治初期の稲村ヶ崎。まだ江ノ電も国道134号線もなく、豊かな砂浜が広がるひなびた景色が広がる
明治初期の稲村ヶ崎。まだ江ノ電も国道134号線もなく、豊かな砂浜が広がるひなびた景色が広がる

昭和29年の稲村ヶ崎、陸から海岸を望む。すでに国道134号線の工事が始まっている
昭和29年の稲村ヶ崎、陸から海岸を望む。すでに国道134号線の工事が始まっている

昭和29年、米軍の横須賀基地から厚木などへのアクセスのために国道134号線の整備工事が始まった。稲村ヶ崎の切り通しを鎌倉方面から望む。国道を走る車に時代を感じる
昭和29年、米軍の横須賀基地から厚木などへのアクセスのために国道134号線の整備工事が始まった。稲村ヶ崎の切り通しを鎌倉方面から望む。国道を走る車に時代を感じる

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国道は公益だから波乗りなんか考慮してくれない。それはさておき、海沿いに道路を作りたいというのは人間の性なのでしょうか?人類は昔から自然に対する配慮なんてしてこなかった証ですよね。

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