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箱ミシンその3:

その3:通称、箱ミシンは一本針ミシンを横にしたミシン。

 

文:川南 正

 

箱ミシンは形状を見ればよくわかるけど、本縫いのミシンを向こう側にひっくり返しているんだよね。自分のほうに針があって、自分のほうに針が進んでくる。本縫いの1本針のミシンを横向きにして縫えないだろうかって、ミシン屋が考えたんだろうね。理由は簡単で、小さなものを縫う場合、今までの針の向きでは顔を横にしてミシンのテーブルにピタッとくっつけないと見えないので、針を横向きにして針元を見やすくしたわけだ。縫うと、針が操作する側に向かってくるので、布など縫う部分を確認しやすい。箱ミシンという名前だけど、Googleで検索してもヒットしないので、箱ミシンというのはニックネーム、通称なんだね。ウェットスーツを作りはじめた初期の頃、おれがゲットした箱ミシンは「Treasure」というブランドで、製造したのは奈良ミシン工業。今や業界ではすくい縫いミシンの奈良ミシンとして名高いミシンメーカーらしい。この「Treasure」の箱ミシンの使い方はYouTubeを見ればよくわかると思うけど、おれがこのミシンを使うようになったのは、グローブの指先などの細かい曲線のゴムを縫うために必要だったからなんだ。普通のすくい縫いミシンでは縫うゴム面を平らにしないと縫えない。そうするとグローブの指と指のあいだとか細かいものが縫えないんだ。このミシンだと小さくカーブするグローブの指先などを縫うときにも便利なんだ。この箱ミシンの存在は後で知ったんだ。よそで縫えるのに何でうちでは縫えないんだということで、ミシン屋さんに問い合わせて探してもらった。

 ミシンというのは、使う素材や厚みなど多種多様な縫製に合わせて、それぞれ異なるミシンが必要になるので、いろいろな種類のミシンが開発されている。この箱ミシンも曲線の多いものや厚みのあるもの、細かい作業など、縫うところがよく見えるように開発されたミシンなんだ。また、針が裏に抜けないミシンなんて世の中に存在しないのかと、ミシン屋はアイデアを駆け巡らせたのだろうね。だから箱ミシンはすくい縫いもできる。たとえば、ウェットスーツだったら、3ミリのゴムを二つ折りにして挟んですくい縫いができる。今みたいにすくい縫いで1ミリのウェットスーツを、針の太さぐらいしかない厚さのゴムを縫うというのは、箱ミシンでは無理で、すくい縫い専用のミシンでしか縫えないけどね。




奈良ミシン工業の箱ミシン「Treasure」。細かい作業に、またすくい縫いもできる便利なミシンだ。長らく使っていなかったので、潮風でサビサビになってしまった。いまでも「Treasure」の新型が買うことができる。ということは、需要があるんだね。




上から見ると、ふたつの円盤が見えるが、ここに縫いたいものをはさみ縫う。







 



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